「良い物件に出会えない」人の共通点

まず資金計画を固め、月々いくらまでなら無理なく払えるかを把握したうえで、上限を設定する。旅行にも行きたい、子どもに習い事もさせたい――そういう生活全体を見渡したうえで、住居費にかけられる上限を決める。この順番を間違えてはいけない。「いつ買うか」の期日を決めることも重要だ。気持ちはあっても、期日のない人は買わない。

それは行動に表われる。家族がいるのに、いつも一人で物件を見に来る人は、「本当に買う人」ではないと現場のプロたちは判断している。資金計画が決まり、エリアと条件の優先順位が固まれば、実は候補物件の数はそれほど多くない。

K氏によれば、条件を絞り込んだうえで住宅情報サイトを見ると、見に行くべき物件は多くて10件、たいていは5~6件、少なければ二択か一択になるという。その中から70点以上の物件が見つかれば、買う覚悟を持って動くことが肝要だ。

「広くて安くてきれいで便利な『100点満点の家』は存在しません。何に妥協するかを先に決めておくことが大切です」とK氏は言う。そこがわからず何も妥協できない人は、幻の物件を探し続けることになる。

周辺に「工場」がある場合は要注意

「今どき、ネットで物件の写真を見れば十分ではないか」と言う人がいる。K氏はこれを明確に否定する。「写真で判断することのリスクは大きい」と。不動産会社の担当者は、写真を撮るのが上手い。広角レンズを使えば、実際より広く見える。日当たりのいい時間帯に撮影すれば明るく写る。

隣にゴミ屋敷があっても、当然そちらに向けてシャッターを切ることはない。川沿いの道の、静かな午後に撮った写真は、平日の朝の通勤時間帯の騒音を伝えることはない。「特に工場は要注意です」とK氏は指摘する。会社員であれば、内見は土日に行くことが多いだろう。だが、そのときに工場は休んでいる。

工場
写真=iStock.com/ewg3D
※写真はイメージです

住み始めると平日に機械音や振動に悩まされる、というケースは少なくない。周辺に古い建物があれば、ゴミの管理状態も確認したほうがいい。「Googleマップである程度は確認できますが、現地に行けばわかることが段違いに多い」とK氏は言う。

これには私も同意する。不動産は足で情報をつかむものだ。賃貸でも購入でも、自分の目と足で確かめることに代わるものはない。

中古戸建ての内見において、何を見ればいいか。K氏に教えてもらったポイントを紹介しよう。