「天井と壁の隅」を必ずチェックする

まず、外から見る。周辺環境の確認だ。騒音源になるものが近くにないか――学校・工場・幹線道路。隣家との境界に越境物はないか。駐車スペースのコンクリートに大きなヒビ割れはないか。「ヒビは大きさを見てください」とK氏は言う。

コンクリートの性質上、髪の毛1本ほどの細いヘアクラックは入って当然で、問題ない。だが幅の広いヒビ割れが複数あれば、地盤や基礎に問題がある可能性を疑う必要がある。ヒビがあるからダメではなく、ヒビの大きさで判断する、ということだ。室内に入ったら、窓の開け閉めを確かめる。

木造の古い建物は経年で歪み、窓がスムーズに動かなくなることがある。建付けの確認だ。次に天井と壁の隅を見る。クロスの汚れは中古なので当然あるが、問題はシミだ。一度濡れて乾いた跡のような茶色いシミがあれば、雨漏りや漏水の可能性がある。

「水が回ると構造体が腐食します。シミは最も重要なチェックポイントの一つです」とK氏は強調する。雨漏りの痕跡を見落として購入し、後から大規模な修繕が必要になるケースもある。床下の点検口があれば、開けて中を確認する。

天井の汚れのクローズアップ
写真=iStock.com/Andrei310
※写真はイメージです

ペアガラスは断熱性・遮音性が段違い

現代の戸建ては基礎の構造にベタ基礎(床全面をコンクリートで覆う形式)を採用しているものが多く、湿気が上がりにくく、排水トラブルにも対応しやすい。サッシがペアガラスかどうかも確認しておきたい。「ペアサッシが入っていれば、大きなチャームポイントです」とK氏は言う。断熱性・遮音性が大幅に高まる。

書影
滝島一統『その家、買ってはいけない』(PHP新書)

ガラスは後から容易に交換できないため、初めからペアサッシが入っている物件はそれだけで価値がある。バルコニーや屋上がある物件は、防水状態の確認が必要だ。「防水状態は紫外線で劣化します。前の所有者がいつメンテナンスしたかを必ず聞いてください」とK氏は言う。屋上の防水状態が劣化して放置されると、そこから水が侵入して大きな被害になる。

防水のメンテナンス履歴がない場合は、購入後すぐに施工することを前提に資金計画に組み込んでおくべきだ。フローリングの表面の傷や汚れは、中古であれば当然ある。問題ではない。だが引越し前にリフォームするかどうかの判断は、内見時にしておく必要がある。床の張り替えは生活しながらの工事が難しく、「入居前にやるか、やらないか」を決める機会は、事実上内見時にしかない。

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