どんな人間でも失敗はしてしまう。緊急事態に陥ったとき、どんな「屁理屈」であれば、その場を切り抜けられるのか。今回、5つのテーマで実例を収集し、作家の架神恭介さんに考察してもらいました。第1回は「大口顧客が大激怒」です――。
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月17日号)の掲載記事を再編集したものです。
優しい嘘も、時には社会の潤滑油
われわれの社会生活にはミスやトラブルが付き物です。ですが、皆さん。馬鹿正直に謝って損をしたことはありませんか?
今回、日本最大級のクラウドソーシング「ランサーズ」の協力も得てビジネスマン1000人にアンケートを行い、プレジデント編集部が集計。「出掛けに社長に捕まって打ち合わせに遅れたと言い張った」「目に涙を浮かべながらひたすら謝った」など、困ったときのさまざまな切り抜け術を収集しました。信じられないかもしれませんが、本記事での例はすべて実例です。
実際、正直に謝るよりも、時には優しい嘘を吐き、円満な解決を目指すべき場面もあります。ちょっとした知恵と工夫で辛いシチュエーションを切り抜けるコミュニケーション術は、社会の潤滑油としてビジネスマンには必携のスキルと言えるでしょう。
また、言い逃れの際にはあなたのキャラクターも重要です。「まあ、あいつはそういうやつだから」。周囲からそう思われていれば、遥かに言い逃れしやすくなります。幸いなことに、現代のビジネスシーンではダイバーシティが声高に叫ばれています。人種や性格、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用していこうという動きです。一昔前では変人でも今では個性で通用するのです。時代の流れを掴み、ピンチをチャンスへと変えていきましょう!
大口顧客が大激怒
『勧進帳』に学ぶ、伝統的な手法
納期に遅れる、品質が悪い、事前の約束が守られない……。相手の期待に応えられず、顧客に怒られる場面はビジネスシーンでしばしば発生します。しかし、あなたは会社として損害賠償など払いたくないし、もちろん社内評価も落としたくありません。