どんな人間でも失敗はしてしまう。緊急事態に陥ったとき、どんな「屁理屈」であれば、その場を切り抜けられるのか。今回、5つのテーマで実例を収集し、作家の架神恭介さんに考察してもらいました。第2回は「嫌な仕事を押し付けられそうになった」です――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年12月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

嫌な仕事を押し付けられそうになった

足音を立てない、非常階段を使う

忙しいときに限って上司が面倒な仕事を振ってくる……。そんなことをやっていたら、大事な仕事が疎かになるし、そもそも、その仕事、自分がやる必要はないのでは……。そんなときはどう切り抜けるべきでしょうか?

写真=iStock.com/RapidEye

まずは予防策からご紹介しましょう。予防のためには「上司の視界に入らない」ことが大切です。そもそも上司も「誰でもいいけど、お前でいいや」という気持ちで仕事を振ってくるので、視界にさえ入らなければ、あなたを探し出してまで仕事を押し付けようとはしないはずです。「足音を立てずに移動する」「上司と会わないようにエレベーターではなく非常階段を使う」「上司の行く店を避ける」などの物理的に影を潜める方法から、「上司へのメールも記憶に残らないように淡白な文面を心掛け、『!』などは絶対に使わない」などの心理的隠形(おんぎょう)術まで、様々な予防策がアンケートには寄せられました。

ですが、コソコソと逃げ回ることに抵抗がある場合、あなたが2つの部署を兼務していればチャンスです。例えば、あなたが営業一課と営業二課の両方のプロジェクトに関わっているとしましょう。一課の課長から仕事を振られたときは「二課のプロジェクトでいっぱいいっぱいで……」と答え、二課の上司から仕事を振られたら「一課のプロジェクトで……」と答えれば両方の仕事を回避できます。