日頃から心がけるべきこと

相手の自尊心に訴えることで仕事を回避する方法もあります。例えば、あなたは部長から、合弁相手の中国企業に対して理不尽な要求を突き付けるよう命じられたとします。すごく嫌ですね。そんなときは上司にこう言いましょう。

「中国はメンツの文化です。私のような下っ端では受け入れてもらうことは難しいでしょう。同じことを言うにしても部長でなければ相手に呑ませることはできません。これは部長にしかできない仕事だと思います」

実際のところ、あなたが話そうが部長が話そうが相手は激怒するに違いありませんが、相手はともかく上司は丸め込むことができます。

日頃からのキャラクターづくりにより嫌な仕事を回避することも可能です。普段から「子どもが生まれたけど病弱で~」「最近、親が外をふらふらと~」など情報を小出しにすることであなたのキャラをつくり上げ、「あいつならしょうがない」という雰囲気をつくりましょう。上司から仕事を振られたときも、あなたが苦しげな表情で「親が……」と呟くだけで、「あっ、また徘徊してるんだな」と思われて上司が遠慮してくれるでしょう。

また、いかにも「クリエーティブ系でござる」という容姿・風体でキャラが定着していれば、それだけでもこの問題は解決できます。考えてみてください。ツーブロックで頭頂部に髪をまとめてボリューム感を出し、分厚い眼鏡をかけた部下が、椅子にも座らず常時壁にもたれかかって仕事をしているとします(これが「なんだかわからないがシーンの最先端で仕事をしてそう」なクリエーティブ系人材のパブリックイメージです)。きっと、たぶん、有能なのだろうけど、仕事に対する価値観が根っこから違いそうな、そんな部下に対して、あなたは仕事を振れますか? 振れませんよね。そういうことです。