ゲオホールディングスが運営するセカンドストリートは、国内に1923店舗(11月時点)、海外でも100店舗以上を展開している。中でも台湾はオープン初日に入場制限を行い、売り上げは日本の3倍に上るほど人気だという。ノンフィクション作家の野地秩嘉さんが、台湾店舗を訪れたゲオホールディングスの遠藤結蔵社長を直撃した――。

※本稿は、野地秩嘉『セカストの奇跡 逆襲のゲオ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

様々な看板が並ぶ台北の道路
写真=iStock.com/funky-data
※写真はイメージです

香港、シンガポール、アメリカにも出店

セカンドストリートは海外にも進出している。わたしは台湾、タイでセカンドストリートの店を訪れた。アメリカ、マレーシア、香港、シンガポールにもあると聞いたけれど、そこへは行っていない。

海外の店舗を見ると、品揃えにはふたつのパターンがある。アメリカ、台湾、タイ、香港、シンガポールでは現地で買い取ったものを販売している。日本からリユース品を送っているわけではない。ただし、新規出店のペースが速いこともあって、不足する分は日本から各国の店へ送っている。

一方、マレーシアへは日本から余剰のリユース品、いわゆる「ユーズド・イン・ジャパン」の商品を送っている。台湾にはセカンドストリートの店舗が39店舗ある。店舗のオープン時に際してだけ日本から商品を送る。

けれど、それ以上はほぼ送ることはない。その後は台湾の中で中古品を買い取り、買ったものを店舗に出して売っている。

「ベティの赤ワンピ」店員がオシャレすぎる

台湾は二度、取材した。4つの店舗を見て、従業員とユーザーに会って話を聞いた。

気づいたのは、働いている人たちがおしゃれなことだ。むろん、アパレル店だから、おしゃれに気を遣う人たちが就職しているのだろうが、それにしてもセカンドストリートの従業員はそれぞれが独自の着こなしを楽しみながら働いていた。

高雄にあるSKMというアウトレット内の店舗では店長と従業員の男子がキャップをかぶった上からスカーフをして、首の下で結んでいた。キャップ・アンド・スカーフと呼ばれる韓流スターの装いである。初めて見た時、帽子の上からの頬かぶりに見えた。わたしが真似をしたら、江戸時代の盗賊のように見えるに違いない。

高雄地区のエリアマネージャーをやっている女子、ベティさんもまた独特の装いを楽しんでいた。彼女は必ずベティ・ブープのイラストが入った服を着る。ベティ・ブープの服を愛用しているため「ベティさん」と呼ばれるようになった彼女は背が高く、金色に染めた髪の毛は長い。真っ赤なワンピースの前面には大きなベティ・ブープのキャラクターが入っていた。鮮烈だった。

台湾のセカストユーザーは店で働く従業員が最新のファッションに通暁していることに安心感を覚えるのだろう。ひいてはセカンドストリートのリユース品に対する信頼に結びついているようだ。

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