ゲオホールディングスが運営するセカンドストリートには、100円の雑貨から5万円を超えるブランド品まで多様な中古品が並んでいる。買い取り現場では、日々どのようなやりとりが行われているのか。『セカストの奇跡 逆襲のゲオ』(プレジデント社)を出したノンフィクション作家の野地秩嘉さんが、大型店の大宮日進店(埼玉県大宮市)を訪ねた――。
リユース衣料店に並ぶシャツを見る男性
写真=iStock.com/Iryna Mylinska
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なんとコンビニ14店分の広さ

スーパーセカンドストリート大宮日進店があるのは大宮市の郊外だ。高崎線のJR宮原駅、川越線のJR日進駅が最寄りとなる。とはいっても駅から歩いて行くことは大変だ。タクシーで5分の距離にある。店舗は国道16号線とJR宮原駅から直進してきた道路の交差点にある。もっとも、JR宮原駅、日進駅というのがどこにあるのかわからない人が多いだろうから、生成AIに「スーパーセカンドストリート大宮日進店の位置を教えて」と聞いた方がいい。

同店は巨大だ。売り場面積は約700坪。町のコンビニ(約50坪)14店分の広さだ。1階はピロティ(吹き抜け空間)の駐車場になっていて、108台の車を止めることができる。扱い商品は約14万点。ほぼデパートと同じである。衣料、服飾雑貨、家電、家具、生活雑貨、アクセサリー、キッズ衣料と用品、スポーツ、ホビー、楽器、ブランド品から金券まで置いてあって、いずれも買い取りと販売をやっている。何も持たずに大宮にやってきた人がその日から生活するためのものすべてを調達することができる。しかも個々の商品の値段は安い。

わたしはある出版社編集者から次のような話を聞いた。その人は北海道で新聞社に勤めていたけれど、東京の出版社に中途採用されて、上京してきた。東京に婚約者がいたからだ。北海道と東京を往復する交通費が「ばかばかしいくらい高い」と言っていた。

売上ナンバーワンの「大宮日進店」ギタリスト店長

「転勤する時、札幌で使っていた家電、家具や冬の衣料は全部セカストに売りました。東京に来て、セカストへ行って買い直しました。北海道から東京までの引っ越し代ってすごく高いんです。セカストに売って、買った方がぜんぜん安いし、新しいのが手に入る」

札幌から東京に引っ越しするとして、繁忙期だと単身パックで15万円はかかる。すると、セカンドストリートに売って、買って、払った金額が15万円以下であれば、ユーザーとしては引っ越し費用を払うより得だ。荷づくりの必要もない。売る時は出張買い取りに来てもらえばいい。単身の場合であればこうした使い方ができる。家族となると大変だけれど、できないこともない。ただし、家電から衣料、楽器まであらゆる生活用品を扱っているスーパーセカンドストリートが近所になければこの方法はできない。

さて、スーパーセカンドストリート大宮日進店の店長は柴田大輔だ。

「うちより広いお店もありますが、売上は意地とプライドでナンバーワンです。買い取り件数も意地とプライドと情熱で全国一です」

柴田は35歳。2013年、大学を出て、新卒でセカンドストリートに入社している。その年はゲオがセカンドストリートを吸収合併した年だ。柴田は高校生の時、ギターを弾きまくっていた。越谷に以前からセカンドストリートがあり、その店にギターや機材を見に行っていた。その頃からセカンドストリートに興味を持っていたのである。

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