オープン日は入場制限、日本よりも売り上げる

台湾の社長、総経理の廣畑三之丞は「うちの従業員はみんなほんと、おしゃれです。私だってまったくかないません」と言った。ちなみに「三之丞」は本名だ。廣畑は名前を気に入られて、歌舞伎役者の付き人をやっていたこともある。それはそうとして、台湾のセカンドストリートで働く人たちはファッションといい、経歴といい、とにかくクールだ。

大須にあるセカンドストリートの店舗入口
大須にあるセカンドストリートの店舗(画像=HQA02330/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

廣畑の話に戻る。彼はこう言った。

「台湾の店舗にある商品の9割は台湾で買い取ったものです。それでも少数はまだ日本の商品が必要で、それはお客さまの楽しみになっています。たとえば、イッセイミヤケの服はこちらに店舗が少ないから、人気商品になっています。

まだまだ店舗を増やしていくつもりですから、そういった点でも日本の商品は必要です。オープンの日ですが、繁盛店でも日本のセカンドストリートでは入場制限をしたことはありません。ですが、台湾であればオープン日は場合によっては入場制限をかけないと、店舗内が混乱してしまう。売上もオープン当日は台湾の方が多い。日本で初日の売上が100万円とすると、台湾では300万、400万はいきます。台湾の方が売れる背景としてはフリマアプリが普及していないところがあると思います」

スーパーの生鮮売り場のような品ぞろえ

「私は日本でも台湾でもセカストの店長をやりました。セカストではお客さまが店内にいる時間が長い。他のアパレル店舗よりも長いです。お客さまは時間をかけて一点一点を見ながら、『自分だけが好きな商品』を探しているんです。また、毎日いらっしゃるお客さまもいます。台湾のセカストはまるでスーパーの生鮮売り場みたいです。ですから売り場の様子は毎日、変わっているのです。

日本でも台湾でもひとりのお客さまが買う商品の数は10点くらいになるでしょう。ただし、一度ではなく、ひと月に3回くらい来て、その都度、3点は買っていく。そして、次に来た時に、3点くらい売りに来て、また3点を買っていく。一カ月に10点は買います。

クレームでいちばん多いのは買取価格が安いことでしょうか。販売している商品についてのクレームはほぼないです。売る時に、自分の思った金額でないと、憤慨するというか……。低い金額を提示されたことが不満だとおっしゃいます。

ベティに限らず、従業員のモチベーションはものすごく高いです。従業員はお客さまにおしゃれになってもらいたい、新しいものにチャレンジしてもらいたいと長時間、接客しています。前職ではブランド店に勤務していた人間が多いのですが、彼らはひとつのブランドが好きなのではなく、いろいろなブランドを着こなすのが好きなんです。台湾にいるとわかるのですが、まだまだリユースは伸びていきます」