良い人間関係を築く方法はあるのか。政治・教育ジャーナリストの清水克彦さんは「人間関係の基本はきちんと感謝の気持ちを表すことだ。それだけでなく、ほめ上手の人は人間関係を円滑に進めることができる」という――。

※本稿は、清水克彦『その言語化は一流、二流、それとも三流? 頭のいい“この一言”』(青春文庫)の一部を再編集したものです。

賞賛を受ける女性
写真=iStock.com/fizkes
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「ありがとう」より効果的な感謝の言葉

三流は「ありがとう」、二流は「冠言葉+ありがとう」、一流は相手を気遣うひと言をプラスする

感謝の意を表す言葉として、もっとも一般的な言葉が「ありがとう」です。

次の三例は、同じ「ありがとう」でも、言われた相手の反応が違ってくると思いませんか。

A「ありがとうございます」
B「お忙しいのにありがとうございます」
C「お心遣い、ありがとうございます」

Aでも構わないのですが、Bのように、相手の立場や状況を理解したうえで、「お忙しいのに」「ご自身が大変なときに」「わざわざ私どものために」など、かんむりをつけてお礼を言いたいものです。

相手が部下であっても、「ありがとう」だけで済ませず、「忙しいのに早く処理してくれてありがとう」などと、ひと言添えると効果的です。

Cは、いつも気にかけてくれたり、特別に手助けをしてくれたりした相手に感謝の気持ちを表す言葉で、「ありがとう」の気持ちを、より強く伝えたい場合に使うといいでしょう。

筆者がチーフプロデューサーを務めてきた報道ワイド番組には、筆者が体調などを気遣うと、「いつもお心にかけていただきありがとうございます」と感謝の言葉を、口頭もしくはメールやLINEで返してくるディレクターがいました。

このように言われると、言われた側の私としては、心が温かくなります。困ったことがあれば、いつでも手助けしてあげようという気分にもなりますから、「ありがとう」に何をプラスするかは大切なことだと実感しています。