肥満や老化を抑えるにはどのような食生活を心がければいいのか。同志社大学糖化ストレス研究センター客員教授の八木雅之さんは「タンパク質、脂質、酸を同時に摂るといい。昼食はおにぎり2個を食べるより、1個をコンビニで買える別の食品に置き換えるだけで肥満ホルモンの分泌を抑えられる」という――。

※本稿は、八木雅之『老けない食べ方の新常識』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

半分が若い女性、半分が高齢女性の顔
写真=iStock.com/Yuri_Arcurs
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老化を抑える「食べ方の工夫」

アルデヒドは、糖や脂質、アルコールの代謝過程で発生する老化の元凶。細胞を傷つけ、糖化を促進し、老化や生活習慣病の引き金になります。

老化を防ぐには、アルデヒドの発生を抑える食べ方の工夫が必要なのです。

ただ、その工夫をしさえすれば、白ご飯もラーメンもスイーツも、おいしいものは何でも安心して楽しめるようになるということです。

では、どうすればいいでしょうか。

【老化を防ぐ食べ方公式】 タンパク質 × 脂質 × 酸 = 黄金トリオ

この公式にしたがった食べ方をすればいいのです。

タンパク質、脂質、酸――この3つを1食の中でそろえれば、食後血糖値の急上昇(血糖値スパイク)を抑えることができます。それが、結果的にアルデヒドの過剰発生(アルデヒドスパーク)を防ぎ、老化を防ぐことにつながるのです。

もちろん、どんなにバランスがよくても、量を食べ過ぎてしまえば糖と脂質の代謝が追いつかず、アルデヒドは発生してしまいます。この点には注意が必要です。

タンパク質×脂質×酸で糖の吸収を緩やかにする

ではなぜ、タンパク質、脂質、酸が食後血糖値の急上昇を抑えるのでしょうか。

タンパク質と脂質は、胃の中に長くとどまりやすく、これらを先にとっておくと、糖の消化・吸収のスピードを緩やかにしてくれます。

一方、酢や柑橘に含まれる酸は、胃から小腸への移動を遅らせる作用があり、糖の吸収をさらに緩やかにしてくれます。

結果、この3つをそろえて食べることで、食後血糖値の急上昇を防ぐことができ、老化や不調の原因になるアルデヒドスパークも抑えられるのです。