テーブルに置かれている「酢」をスープに加える

ラーメン屋のテーブルには、酢が置かれています。レンゲにスープを少しすくったら、そこに酢を加えて飲むだけです。

ラーメンのスープには、豚骨、鶏ガラ、牛骨、魚介などさまざまなベースがあります。すべてに共通しているのは、タンパク質と脂質が豊富に含まれていること。骨や肉、魚などの材料をじっくり煮出すことで、成分がスープに溶け出しています。

つまり、ラーメンのスープは、黄金トリオのうち「タンパク質」と「脂質」をすでに備えているということ。そこに、足りていない「酸」を足してあげるわけです。

先に「酢+スープ」を腸に入れておくことで、その後、麺が入ってきても、血糖値の急上昇と、それと同時に起こるアルデヒドスパークを防ぐことができるのです。

ちなみに、「ラーメンの汁は塩分が高くて血圧が心配」という人も多いと思いますが、酢には血圧を降下させる作用があることがわかっています。

食堂のテーブルに置かれた調味料
写真=iStock.com/Kadek Bonit Permadi
※写真はイメージです

レンゲにすくったスープに少し酢を加えるだけ

では、どのくらいの酢をとれば、食後高血糖を抑えられるでしょうか。

私が行なった実験結果では、穀物酢大さじ2杯(30mL)を白ご飯と一緒にとることで、白ご飯だけを食べたケースよりも、血糖値の上昇を約30mg/dLも抑えられました。

これは糖尿病治療薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬の平均的効果(20〜40/dLの低下)と同程度の結果です。

ただし、一つ注意点があります。酢を原液のまま飲むのはNG。強い酸によって、食道や胃の粘膜が荒れたり、歯のエナメル質が傷ついたりするリスクがあります。

この点においても、「酢+スープ」という組み合わせは、理に叶っています。スープが酸の刺激を和らげてくれるので、負担をかけずに体に届けることができます。

ちなみに私は、ラーメンを食べる際には、大さじ2杯程度の酢を2〜3回に分け、レンゲに入れたスープに加えて飲んでいます。

とはいえ、酸っぱいものが苦手な人もいるでしょう。その場合は無理せず、大さじ1杯程度の酢を2~3回に分けて、スープと一緒に飲みましょう。