※本稿は、関屋裕希『仕事が終わらないのはだれのせい? 自分に優しい時間の使い方』(日経BP)の一部を再編集したものです。
休めるようになるために強制的に休む
誰しもが休むことの大切さは頭で理解していると思います。しかし、休んだり、手を止めたり、何もしないことに時間をとるのは勇気や決断力、行動力が必要です。
ここで試してみたいのは、行動実験です。
これまでの行動パターンを変えるためには、「まず認識を変える」アプローチが一般的に思い浮かぶかもしれません。認識→行動の順です。もし健康的な行動をしたいなら、健康についての知識を身につけてリテラシーを上げるのが有効、というものです。
ただ、今回の「休む」ことについては、私たちはそもそも「休む」ことの重要性は十分に理解しているはずです。それでも、難しいという状況に陥っているのです。
こういう変えにくいものの場合は、「先に行動してしまう」というのがおすすめです。
私は「食わず嫌いの法則」と名づけています。
たとえば、ピーマンが食べられない人がいたとします。
「自分にピーマンを食べられるわけがない」と考えているので、外食時にもピーマンが使われているメニューは絶対に頼みません。けれどある日、ふらっと入ったお店で、お通しとして提供されたものを食べてみると、とてもおいしい。「これは一体何ですか?」とお店の人に尋ねてみると、「ピーマンのかき揚げです!」という返事が返ってきました。
驚きながらも、そのあと、その人の行動は「ピーマンが使われているメニューも食べてみようかな……?」と変わっていくはずです。
行動を変えることで認識を変える
このように、先に行動を変えることで、自分の認識が変わっていくことも起こりえます。
私も、昼夜問わず研究に取り組んだ大学院時代を経て、すっかりワーカホリックな人間でした。就職した当時は、夜中まで研究室にいないとそわそわしたり、休日に仕事をしないでいると悪いことをしているような感覚がありました。けれど、強制的に「休む」行動を取り入れ、続けているうちに、少しずつ、仕事から心理的に距離をとって楽しめる時間や、心身ともにリラックスする時間の心地よさを味わえるようになっていきました。
同様に「休む」という行動を半ば強制的に入れ、そこで得た体験を通じて、少しずつ「休むこと」を再評価することを提案します。そうすることで、本来の感覚を思い出したり少しずつつかんでいくことができます。具体的な方法を次で見ていきましょう。

