ほぼ全店で「全面禁煙」を実施した串カツ田中
飲食業界で注目を集める「串系居酒屋」。その魅力はなんといってもコスパのよさでしょう。特に好調なのは「串カツ田中」です。2018年11月期の連結決算は、営業利益ベースで実質的な3期連続の増収増益と絶好調。ファミリー層を取り込むために住宅街などにも積極出店し、関東中心に210店舗以上を展開しています。18年6月には、ほぼ全店で「全面禁煙」を実施したことも話題となりました。
一方、このジャンルを引っ張ってきた「鳥貴族」は、18年7月期の売上高は前年比15.8%増の339億円で、増収率は低下しています。また、閉鎖店舗の減損損失を計上したことから、純利益は前年比31.6%減の6億円と大幅な減益となりました。報道などでは17年10月に「全品280円均一」から「全品298円均一」に値上げしたことが、客足を遠ざけたと指摘されています。
明暗が分かれている2社ですが、消費者はどう感じているのでしょうか。両店舗のNPS(※)を調べてみました。
※NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
NPSとは、「あなたはこの商品やサービスを誰かに勧めたいと思いますか」という設問に対する回答を分析することで、既存の顧客満足度よりも収益との相関が高いとされている指標です。欧米の主要企業が経営に取り入れており、NPSを判断材料として用いる投資家も増えています。
設問設計:
1.あなたは○○(ブランド名)を利用することを親しい友人や知人にどの程度おすすめできますか? ▶0‐10点の11段階で回答
2.Q1で「おすすめ度:0~10」の点数をつけるうえで、以下の体験はどのように影響しましたか。▶業界ごとに設定した「顧客体験」について、「非常にプラスに影響」~「非常にマイナスに影響」の7段階で回答 ▶さらに「その理由」を自由記述で回答
3.属性質問(性別、年代、年収、世帯年収)
調査対象:
串カツ田中利用者217名、鳥貴族利用者259名
回答取得手法:
インターネット調査
調査期間:
2018/12/25~2019/1/8