マクドナルドの業績が急回復している。1店舗当たりの売上高は過去最高を更新し、通期の売上高も過去最高の見込みだ。一方、業界2位のモスバーガーは苦戦している。なにが明暗をわけたのか。プレジデントオンラインは調査会社エモーションテックの協力を得て、2社のNPS(顧客ロイヤリティスコア)を試算した。その意外な結果とは――。
「ハッピーりぼーん」プロジェクト発表会に出席した日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長(東京都)=2018年2月21日(写真=時事通信フォト)

カサノバ社長のもとで見事にV字回復のマック

日本マクドナルドホールディングスが絶好調です。2月に発表した2018年12月期連結決算では、売上高が7%増の2722億円、本業のもうけを示す営業利益が前年比32%増の250億円でした。

1店舗当たりの売上高は過去最高で、19年12月期決算についても過去最高となる2825億円になる見通しといいます。マックは14~15年ごろ、期限切れの鶏肉の使用や商品への異物混入の影響で、業績が落ち込みましたが、サラ・カサノバ社長のもと、見事にV字回復しています。

一方、ハンバーガー店としてマックに次いで業界2位の店舗数をもつモスバーガーは、業績が芳しくありません。14年3月期から18年3月期まで5年連続で客数が前年割れしているほか、運営会社のモスフードサービスは19年3月期連結業績決算で純利益が8億円の赤字になる見通しであるとも発表しています。

2社の違いはどこにあるのでしょうか。顧客はどう感じているのか、両店舗のNPS(※)を調べてみました。

※NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

NPSとは、「あなたはこの商品やサービスを誰かに薦めたいと思いますか」という設問に対する回答を分析することで、既存の顧客満足度よりも収益との相関が高いとされている指標です。欧米の主要企業が経営に取り入れており、NPSを判断材料として用いる投資家も増えています。

設問設計:
 1.あなたは○○(ブランド名)を利用することを親しい友人や知人にどの程度おすすめできますか? ▶0‐10点の11段階で回答
 2.Q1で「おすすめ度:0~10」の点数をつけるうえで、以下の体験はどのように影響しましたか。業界ごとに設定した「顧客体験」について、「非常にプラスに影響」~「非常にマイナスに影響」の7段階で回答 ▶さらに「その理由」を自由記述で回答
 3.属性質問(性別、年代、年収、世帯年収)
調査対象:
 モスバーガー利用者226名、マクドナルド利用者261名
回答取得手法:
 インターネット調査
調査期間:
 2019/2/7~2019/2/13