「18円の値上げ」の影響は見られず

また「値上げ」については、今回の結果では影響は見られませんでした。むしろ「コストパフォーマンス」に関しては、総じてプラスに捉えられています。「とても安くてサラリーマンの財布にも優しい」「値上げされたがそれでも安い」などの声も多く、「18円の値上げ」には、世間で騒がれているほどのインパクトはなかったようです。

また、その安さゆえに「ブランドへの信頼感」の項目においては「安っぽい」ということがマイナスに影響していました。店の雰囲気・居心地などに不満をもっていること、値上げについての抵抗感がなかったこと、安っぽいイメージがマイナスにとらえられていることなどから、もう少し価格を高めに設定した“プレミアム鳥貴族”が求められているのかもしれません。

顧客の年収別では、串カツ田中でNPSが最も高かったのは年収200万円以下の人だったのに対し、鳥貴族は年収200~400万円が一番高く、比較すると顧客の年収は高めでした。ゆったりとした落ち着いた雰囲気で、より味や量に追求した商品を提供すれば、顧客の求めている理想に近づけるのではないでしょうか。

今西良光(いまにし・よしみつ)
Emotion Tech 社長
1982年、東京都生まれ。早稲田大学大学院修了。日立製作所、ファーストリテイリングを経て、2013年に現在のEmotion Tech(エモーションテック)を創業。
(写真=時事通信フォト)
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