四十にして惑わず――。格言とは裏腹に、40代で人生に悩む者は多い。そこで新しい道を模索し、難関資格の勉強を始めて資格を取得した豪傑もいる。諦めるのはまだ早い。「51歳で司法試験に合格」「41歳で医学部合格」という2人の実例を紹介しよう――。

社長がコソコソ勉強、51歳で司法試験に合格

28.8歳。これは司法試験合格者(2017年)の平均年齢である。それを上回ること20歳以上の51歳で合格したのが、弁護士として活躍する植田統氏だ。

弁護士 植田 統氏

学生時代、植田氏は1年留年して司法試験に挑戦するも、「当時は10年勉強している司法浪人がゴロゴロいて、これは受からないだろうと志望を切り替えました」(植田氏)。

銀行に就職し、その後はMBA留学を経て外資系コンサルに転職。転職人生を歩んだが、「外資系はいつクビになってもおかしくない世界。50歳を超えたら仕事がないぞ」という危機感を抱いていた。

そして2000年代前半、司法制度改革でロースクールが大量にできることになり、日本でも弁護士人口の増加が予想されたことから、植田氏は外資系の法律データベース会社の社長として雇われた。

「すると毎日のように弁護士や法学部の教授に会うようになり、弁護士になるという夢を思い出したんですね。当時、ロースクール修了者の70%が新司法試験に受かると喧伝されていたこともあり、行けば受かると思いました。そこで、働きながら勉強ができる、夜間ロースクールに入学したんです」(同)