「プロジェクトマネジメント」とは、限られた期間、予算、人員に課された目的を達成するための「プロジェクト」を、効率的かつ効果的に遂行するための管理手法だ。アメリカでは関連する法律が制定されるなど、世界で注目を集めている。その標準策定や資格認定を行う世界最大の団体、プロジェクトマネジメント協会(PMI)の会長兼最高責任者、マーク・A・ラングレー氏に、現状と未来について聞いた。

世界で注目 プロジェクトマネジメントの国際資格「PMP」

――プロジェクトマネジメントとはそもそもどのようなものか。

PMI会長兼最高責任者 マーク・A・ラングレー氏

元は、アメリカの国防総省が国防、航空宇宙などの大規模プロジェクトを管理するために、その手法を体系化したのが始まりとされている。その手法はグローバルで標準化されており、製造、建設、エンジニアリング、化学産業、ITなど幅広い業界の企業や政府、自治体などでも取り入れられている。

PMIは、世界207カ国に50万人以上の会員を抱えており、認定しているプロジェクトマネジメントの国際資格、PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の保有者は89万人を超えている。世界共通の資格であるため、日本で取得した場合、国外でも活用できる。

――日本における、プロジェクトマネジメントの導入状況をどう見るか。

日本では、3万6000人以上の資格保持者がおり、IT業界を中心に、最近では金融や製薬、建設など、ほかの業界でも導入が進んでいる。特に海外に事業を展開している企業は、グローバルなプロジェクトを成功させるためには国を越えたプロジェクト管理の“共通言語”が不可欠であることに、早くから気付いているようだ。また、日本企業が外国企業に買収されたような場合にも、有効に機能すると考えられる。