未来の自分のために、いまから始めよう
資格は、会社から独立するときや、定年退職後の稼ぎ口を考えるときに武器となるもの。だが、いつ、どのタイミングで、どのような資格を取るべきか。資格コンサルタントで、自身も520を超える資格を保有する鈴木秀明氏はこう話す。
「資格が必要になってから急に勉強し始めるのでは遅い。人に先だって勉強して、いざというときの備えとして、早いうちに資格を取っておくべきです。また、多くの人がいまの仕事に直結するものを取りたがる傾向にありますが、いますぐ必要ではないスキルこそ、余裕があるうちに身につけておいたほうがいいですね。たとえば、仕事で突然、必要になるスキルもある。あるいは、資格の有無が人事の決め手になるケースもあります。人との差別化のためにも、資格は早めに取得しておきましょう」
どの資格を取るか考える際にも、いくつかのポイントがある。
「一発逆転を狙って、縁のない分野にいきなり飛び込むのは、あまり現実的ではありません。職歴と直結していなくてもいいので、得意分野を活かして、何かに繋げられそうなものを狙うといいですね」
攻守の資格が、仕事人生を支える
資格にもトレンドがある。いま、役立つ資格は何か。また、この先、大きな可能性を秘めた資格は何か。鈴木氏によれば、トレンドの資格は大きく2種類に分類できるという。企業で生き残っていくための備えとして取得しておきたい「守り」の資格と、ビジネスチャンス創出のきっかけになる「攻め」の資格だ。
「守り」の資格としておさえておきたい代表格は、「情報セキュリティマネジメント試験」や「メンタルヘルス・マネジメント検定」だ。
「専門性の高いスキルではなくても、人より早く知識を身につけているだけで職場で重宝される資格の代表例です。『マイナンバー実務検定』も近年注目の資格のひとつです」
「メンタルヘルス・マネジメント検定」は、職場で年1回のストレスチェックが義務化された動きもあり、注目されている資格。マネジャーに昇進するためにはこの検定に合格していることが必須の企業もある。対象別に3種の試験区分があり、I種とII種、あるいはII種とIII種は同日受験も可能。このように、検定によっては同日に複数の級を受験可とするものがあるので、短期集中で勉強をして、1度に同一資格の複数の級を受けてしまうのもうまく資格を取得していくコツだ。
最新の「攻め」の資格としては、「無人航空従事者試験(ドローン検定)」「3Dプリンター活用技術検定」「IoT検定」が挙げられる。
「ビジネスでホットな話題をテーマとした資格ですね。テーマ自体の今後の進化が間違いない一方、未知数な部分も多いです。早めに勉強して知識を身につけておくと、事業の新展開を考えるための材料やきっかけになります」
注目されているのは「インバウンド実務主任者」だ。学習内容には、インバウンドの現状や、訪日外国人の理解と対応などが含まれている。
「増加する訪日外国人に対応できる人材を育成することを目的とした資格です。Airbnbなど、個人レベルでインバウンド収入を考えるときにも役立つ内容です」