資格取得で得られる「6つの副次的効果」

そもそも、資格取得によっていったいどのようないいことがあるのだろうか。鈴木氏は次の6つの効果を挙げる。

(1)法的効果
弁護士や医者のように、その資格がないとできない仕事に就ける。あるいは、宅建士や衛生管理者、薬剤師といった、法律上、事業所内に資格保持者を何人か置かなくてはいけない職場に転職する際に有利になることも。

(2)シグナリング効果
「名称独占資格」といって、中小企業診断士のように、資格を持っていないとできない仕事があるわけではないが、持っていれば肩書として名乗れる資格がある。また、資格を持っていることで自分のスキルや能力を客観的に示せる「シグナリング」の効果がある。
「自分が何かに秀でていることを積極的に証明したい場合は、やはり資格を見せるのが一番わかりやすいですよね。たとえば、マイナンバーに関する知識が豊富だったとしても、ただ口で言うだけではどの程度詳しいのか伝わりにくい。もしそこで『マイナンバー実務検定で合格した』と言えれば、一言で相手から信頼してもらえます」

(3)コミュニティ効果
資格を取ると、その分野における高いレベルの人脈のコミュニティに所属することができる。
「たとえば、税理士など士業には、『○○士会』がありますし、民間資格でも、資格所持者だけが所属できるコミュニティがある場合も」
質の高い人脈や、共通の趣味嗜好を持っている人とのネットワークができ、情報交換も期待できる。

(4)学びの効果
資格取得に向けた勉強をすることで、仮に合格できなかったとしても、その分野の知識を身につけることができる。ビジネス書や専門書を読んでも、漫然と知識が流れていってしまって記憶に残らなかった経験はないだろうか。資格試験に向けて集中して勉強すれば、効果的にインプットできるのだ。