(5)経済的効果
「細かい話ですが、たとえば、ご当地検定に合格すると、その地域の一部施設で割引が受けられることもあります。あるいは、『パンシェルジュ検定』を取ると、提携しているパン屋さん等で優待が受けられます」
ご当地検定は、全国津々浦々の自治体などに存在している、その土地の文化や歴史、観光にまつわる知識を測る検定。自分の出身地にも検定ができていないか探してみると、資格取得も楽しくなるかもしれない。
(6)精神衛生上の効果
資格を取ると自信につながり、さらに安心材料にもなる。
「日々の仕事や転職活動をするうえで、資格を持っていることが自分の心の支えになることもあるでしょう」
これら6つの効果に加えて、日常の思いがけない場面で資格が役に立つことも。
「資格を持っていると、自分が直接その仕事をするわけではなくても、業者や専門家と話をする際に、優位に立てることがあります。たとえば、不動産を借りるときに『宅建を持っている』と業者に示せれば、『このお客さんには変なことはできない』と、細かい部分もごまかさずに丁寧に扱ってもらえる場合もあります。敷金をふっかけられるなど、弱みにつけ込まれる心配も減ります」
資格の「組み合わせ」が希少価値を生む
さらに、資格取得に慣れてきたら、組み合わせを意識するといい。語学を例に考えてみると、TOEICで900点以上の高得点を取ると履歴書に書ける項目は増えるが、今やビジネスの場において英語を使える人は珍しくない。英語が話せるといっても、特別目立つことはできないだろう。
「さらにプラスアルファで、フランス語や中国語など、英語以外の言語の検定を取っておくのもひとつの手。語学が堪能な人材として自分をアピールできます」
語学や法律など、同じジャンルで複数の資格を取得するのもアリ。あるいは、意外な組み合わせで人にインパクトを与えるのもアリだ。
「たとえば、僕の知り合いに、税理士でプロボクサーという人がいるのですが、その組み合わせだけで、『そんな人なかなかいないな』と強烈に印象に残りますよね。フランス語が流暢で、行政書士の資格も持っていたら、フランスに関連のある会社からオファーがくるかもしれない。自分の得意分野で何か資格を取り、さらにプラスして別種の資格があれば、その組み合わせで可能性が広がっていきます。あるいは、あえてちょっと変わった資格を取って、メインとなる資格と組み合わせてみると、自分のキャラ付けやコミュニケーションのツールとしても使えます」