初心者向けの「ベーシック資格7」

高島氏曰く、特に40歳を超えてから資格を取得する際には、これまでの経験を振り返って、自分の強みと弱みを分析するのが有効だという。

「自分のこれまでのキャリアと直結する資格に飛びつきやすいものですが、よくよく考えてみると自分の意外な特技や興味関心が見えてくることもある。私の場合は、53歳で宅地建物取引主任者(宅建)を取得しました。不動産とは縁もゆかりもない業界で長く働いていましたが、自分で出版プロダクションを経営していたこともあり、多少なりとも法律を意識する場面もありました。一見キャリアとは直結していませんが、私の様々な経験や強みに紐付いた、ぴったりの資格でした。その後、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士……と資格を取得していくうちに自信が生まれ、経営者時代の苦労や不安が過去のものとなりました。資格にはそんな力もあるのです」

自分の人生を棚卸しして、どのような資格に結び付けられるか、見つめ直してみてもいいだろう。

▼初心者にぴったり! ベースキャンプとなる7つの資格
●ビジネス実務法務検定3級
ビジネスに関わる初歩的な法律知識を身につけられる。契約書の作成・精査などにも活かせる
●第二種衛生管理者
50人以上の労働者が働く事業場は、必ず置かなければならない「必置」の国家資格
●FP技能検定3級
金融、不動産、相続など、現代生活に必要なお金に関する知識を学べ、実生活でも役に立つ
●ITパスポート試験
情報処理に関する基礎的な知識や用語、概念の理解を目的とする試験。ITへの苦手意識払拭にも○
●銀行業務検定
法務、財務、税務など多岐にわたる試験があり、キャリアを活かした受験ができる
●リテールマーケティング(販売士)検定3級
マーケティング理論から接客技術まで、販売に関する知識を網羅的に学べる。日本商工会議所主催
●ビジネス・キャリア検定
人事、経理、営業、ロジスティクスなど事務系職種の幅広い分野をカバーする職業能力検定試験
鈴木秀明
資格・勉強コンサルタント
AllAbout「資格」ガイド。東京大学理学部卒業。行政書士、気象予報士など、520を超える資格を独学で取得。著書に『効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法』など多数。
 

高島徹治
資格コンサルタント
1937年生まれ。週刊誌記者、編集プロダクション社長を経て、90年から資格を取り始める。最新著作『60代から簡単に頭を鍛える法』が10万部を超えるベストセラーに。
 
(写真=iStock.com)
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