相手の態度は、ちょっとしたテクニックひとつで変わる。シンプルなのに効果満点な「心変わりの方程式」を6つの場面別に識者へアドバイスを求めた。第5回は「偉い人にアピール」について。選挙戦略家、InStyle社長の鈴鹿久美子氏に聞いた――。

話す早さ、笑顔信頼を勝ち取る

私たちは初対面の相手を一瞬で「自分の邪魔をする人」か「自分の役に立つ人」かを常に見分けています。私が身を置いている政界やビジネスシーンでも、この一瞬が印象を左右します。政界若手ナンバーワンの小泉進次郎氏は自分がどう見えているかを客観視し、相手によって声のトーン、服装、髪形、そして話題まで細かに調整しているのです。

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相手に与える印象で重要なのが清潔感・安定感・信頼感です。なかでも最重要なのは信頼感で、特に目上の人の信頼を勝ち取るには服装、話す早さ、笑顔が重要。「誰に、どう見られたいのか」という柱を決め、「魅せる」印象を操作することで2割も3割も魅力を増幅させられます。

ビジネス社会も「選択される」という意味では戦場です。服装は勝負のときに自分を強く勇ましく見せてくれる“鎧”です。鎧は自分の身体にぴったり合っていることが大原則。ダンディーで知られる麻生太郎財務大臣が「権威があるのにチャーミング」に見えるのは、サイズも色も素材もぴったり合った鎧だからです。シャツの襟とジャケットの襟の重なり、袖口から見えるシャツの分量まで「魅せたい姿」が完璧につくられています。