相手の態度は、ちょっとしたテクニックひとつで変わる。シンプルなのに効果満点な「心変わりの方程式」を6つの場面別に識者へアドバイスを求めた。第3回は「忙しいときに無理難題」について。ビジネス心理研究家の神岡真司氏に聞いた――。

「今すぐ、お手伝いしたいところなのですが」

「今日中にこの資料を作成してくれないか」

写真=iStock.com/KittisakJirasittichai

手一杯なのに上司から突然のムチャ振り。キツイですよね。

真っ向から「ムリ」と部下が拒否するのは得策ではありません。上司は「部下に抵抗された」という現実が許せなくなり、ムキになり無理難題を押し通そうとするものです。

では、相手の気分を害さずに断るにはどうすればいいか。ポイントは3つあります。

まず、「よっぽどお困りなんですね」と、相手の状況を汲むこと。次に、「今すぐ、お手伝いしたいところですが新規事業の見積もりを今日中に出さなくてはなりません」と、自分の状況を冷静な口調でストレートに伝える。そのうえで、「だから、お受けすることができないんです」と自己主張するのです。

特に大事なのが「今すぐ、お手伝いしたいところなのですが」という“クッション言葉”。「お忙しいのは承知していますが」「お気持ちはよくわかりますが」とワンクッションをはさむことで、「断る」という自己主張の印象を和らげます。