自然と人望が厚くなる、4つの「クッション言葉」
この断り方は“アサーティブな対応”です。アサーティブとは、「対等な関係における自己主張」という意味で、相手の感情や立場を尊重すると同時に、自分の感情や立場も尊重してほしいと冷静に主張することです。
不満を露わにすれば相手の感情を逆撫でしてしまう。かといって恐縮しすぎてしまっても、「こいつは何を言っても自己主張してこない」と相手に舐められてしまう。だからこそ、「断ることで嫌われたくない」という思考習慣を取り除き、アサーティブな態度を取る必要があります。そうすれば、ムチャ振りが減るだけでなく、たとえムチャ振りされて断ったとしても、「アイツはきちんとしているヤツだ」という好印象を相手に与えることができます。
気が弱くて断れないという人ほど、アサーティブな態度を取ることも仕事だととらえ徹底してください。意図的に対応を変えて繰り返せば、人格や気質は後天的に変えることができます。
それでも難しければ代替案を示すという手段もあります。
「今は手一杯なのですが2時間後であればできそうです」などと、代替案を出して、イエスかノーかの判断を相手に戻すのです。その時点で断る行為を取るのは自分から相手になるので、嫌われるリスクがなくなります。
とどめは、「お役に立ちたいのですが」と、さりげなく相手を持ち上げる言葉。同時に「今回は本当に申し訳ありません」と、丁寧に頭を下げます。誠意ある姿が相手の脳裏にはいつまでも刻まれることでしょう。
▼「クッション言葉」をはさみ、状況説明する
・お手伝いしたいのですが←「尊重」しつつ
・ほかの仕事で手一杯ですから←「理由」を述べて
・今はお受けすることができません←きっぱり「断る」
・明日であればできそうです←「代替案」を示す
・お手伝いしたいのですが←「尊重」しつつ
・ほかの仕事で手一杯ですから←「理由」を述べて
・今はお受けすることができません←きっぱり「断る」
・明日であればできそうです←「代替案」を示す
神岡真司
ビジネス心理研究家
日本心理パワー研究所主宰。著書に『だから、「断ること」を覚えなさい!』『ヤバすぎる心理術』など。
ビジネス心理研究家
日本心理パワー研究所主宰。著書に『だから、「断ること」を覚えなさい!』『ヤバすぎる心理術』など。
(構成=堀 朋子 写真=iStock.com)