相手の態度は、ちょっとしたテクニックひとつで変わる。シンプルなのに効果満点な「心変わりの方程式」を6つの場面別に識者へアドバイスを求めた。第4回は「商談、値切り交渉」について。カーナープロダクト代表取締役の横田雅俊氏に聞いた――。

しぐさではなく「変化」から

営業コンサルティングをしていて気づくのは、相手から切り出される前に「この価格では厳しいかもしれませんが……」などと、自分から価格の話をしてしまい、“自爆”している例が多いということです。顧客との交渉で心がけるべきポイントは3つ。

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1つは、対等なポジションで交渉に臨むということです。優秀な営業マンは、ムリな値切りを持ち出されたら、別のお客様へアプローチすればいいと考えます。当社の調査では、トップ営業は下位営業と比べて約7倍の案件を抱えています。彼らが値切りに負けないのは、分厚い見込み案件という自信の源があるからです。

2つめは、相手の要求に質問で応えること。「10万円値引きしてほしい」と言われたら、「急にそうおっしゃるのには、何か事情があるのでしょうか?」と質問します。相手の状況がわかれば新たな提案ができるかもしれないし、「相手の身を案じている」という印象が伝わり、好感度が高まります。

3つめは視点を変えることです。いったん価格交渉が始まると、それ以外のことは頭から追いやられてしまうもの。そこで「仮に金額と関係なく決めるとしたら?」など視点を変える問いかけをするのです。するとお客様自身が「本当は何を求めていたか」を考え始め、価格とは違う提案を受け入れてくれるかもしれません。