営業マンの中には「相手が腕を組んだら拒絶サイン」などと、しぐさから感情を読み取ろうとする人がいます。しかし目や手の「動き」に注目するほうが効果的です。しぐさはその人の癖と見分けにくく、必ずしも内心を表しているとは限りませんが、面談中に何かに触れたり視線を宙に投げたりする「変化」は、感情の動きを表すからです。

手の動作に「急にメモを取り出す」「片手でもう一方の手をつかむ」「資料に触る」といった変化があれば、何かしらその原因があるはずです。その原因こそが相手の本音に直結します。

目の変化が表すものは何でしょうか。「目をつぶる」「宙を見上げる」「名刺を見直す」。これらは何かを考えているときに見られるしぐさです。話の途中で相手の名刺を見直すというのは、相手の存在を改めて認識したということで、信頼感が1つ上がった証拠と言えます。その意味ではいいサインです。

動作そのものは人によりいろいろでも、それを交渉の内容に結びつけて、「こちらのどの言葉がきっかけで考えが変わり始めたのか」と仮説立てすることが、相手の真意を探るうえで重要なのです。

▼営業マン必見! この「変化」に注意せよ

手の変化
・急にメモを取り出す
・片手でもう一方の手をつかむ
・資料に触る

「その話題に興味を持った」というサイン。ヒアリングのチャンス!


目の変化
・目をつぶる
・宙を見上げる
・名刺を見直す

何かを考え始めたときのサイン。名刺を見直すのは信頼感アップのしるし

横田雅俊
カーナープロダクト代表取締役
外資系ISO審査機関のトップセールスとして活躍した後、現職。科学的な営業コンサルティングに定評。近著に『動機づけのマネジメント』(プレジデント社)。
 
(構成=久保田正志 撮影=大杉和広 写真=iStock.com)
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