なぜ人との会話が長続きしないのか。演劇教育、インプロ(即興演劇)を専門とする東京学芸大学の高尾隆准教授に、破綻なくコミュニケーションし続けるコツと、2つの魔法のフレーズを聞いた――。

インプロ=即興演劇のメソッドを「会話力」アップに生かす

「ボクが皆さんを見てまず思ったこと、それはビックリするくらい、肩がこうなっていたこと」――広い教室に生徒として集まったビジネスパーソンたちを前に、東京学芸大学の高尾隆准教授は背中を丸め、両肩をすくめてみせた。日々の業務でのパソコン三昧を指摘された生徒たちから、笑いが洩れた。

10月末、東京・丸の内の慶應丸の内シティキャンパスで、30数人のビジネスパーソンを集めて開かれたワークショップ。講師として招かれた高尾氏の専門は、インプロ=即興演劇である。

脚本、設定、役柄を決めず、演技者がその場で出たアイデアから物語を組み立て、シーンを繋いでいく。そのコミュニケーションの心得とトレーニングが、同様にその場の即興で行う「会話」の継続に応用できないか?……というわけで、本誌はワークショップに立ち会った。