どうしたら聞き手を感動させることができるのか。誰もが聞いたことのある名スピーチから、押さえるべきポイントを探っていく。

欠落した主人公をどう演出するか

企業の役員や幹部社員であれば、社内外でスピーチする機会も多いはず。しかし、スピーチで人の心を掴むのは難しく、密かに悩んでいる人も多いのではないか。そんなときに役立つのが、歴代の「演説の名手」のテクニックを取り入れることだ。

橋下徹氏(時事通信フォト=写真)

これまで私は、古今東西の政治家や経営者の演説を分析してきた。その中でも圧倒的にうまいなと思ったスピーカーの1人が大阪維新の会前代表の橋下徹さんだ。特に大阪府知事から転身し、大阪市長に当選した頃の演説はすごかった。彼の演説は、よい意味でも悪い意味でも、ビジネスリーダーにとって非常に参考になる内容だ。