富士経済の調査によると、オーラルケア関連製品国内市場は拡大を続けており、2017年に3973億円に達する見込みだ。なかでも、大きな成長が期待されているのが介護用オーラルケア製品で、25年には15年の2.7倍に当たる99億円になると予測している。
介護用製品の中で約3分の1の売り上げを占めているのが、介助用スポンジブラシだ。同分野の製品「オーラルプラス口腔ケアスポンジ」を製造している和光堂は、その用途について「食べかすの除去や、口腔粘膜(歯ぐきや舌、上あご、頬粘膜など)の汚れを拭き取ることができます。そのため、うがいができない方やムセやすい方に支持されています」(アサヒグループ食品和光堂事業本部和光堂マーケティング部の高橋愛子氏)と説明する。
介護用歯みがきシート製品も、介助用スポンジブラシと同様、食べかすの除去や口腔粘膜の汚れの拭き取りに使用するものだ。「歯みがきや、歯みがき後のうがいの代わりにもなります。指に巻きつけて口の中を拭き取るだけなので、いつでも手軽に使うことができます」(高橋氏)。
このほか、口が渇いてしまう「ドライマウス」が近年注目されたため、介護用の分野でも保湿系製品のニーズが高まっているという。
(大橋昭一=図版作成)