市場調査会社の富士キメラ総研の調べによると、マーケティングプロセスの自動化を図る“マーケティングオートメーション(MA)ツール”の2015年度の市場規模は約48億円だった。同社は今後も市場が成長し続けると予測しており、20年には15年の約2.5倍に当たる122億円に達する見込みだ。
MAツールを提供しているマルケトの福田康隆代表取締役社長は「MAツールは新規顧客の獲得や利益の最大化、投資対効果の向上などを実現するために、幅広い顧客接点を通して各顧客に合わせた情報を適切なタイミングで届けるためのものです」と説明する。具体的にはメール配信、シナリオに基づいたウェブマーケティングの実行、個人の嗜好に合ったデジタル広告の配信、SNS連携などの機能があるという。
近年ニーズが強い機能として「製造業などのBtoB企業では、見込み顧客の質と営業生産性の向上を図るため、マーケティング活動と営業活動を連携させる機能や、有望な見込み客を絞り込む機能への需要があります」(福田社長)。流通業などのBtoC企業においても、「顧客との1対1のコミュニケーションが可能なメール、LINE、SNSの配信機能やシナリオに基づいたウェブマーケティングなどへの需要が高いです」(同)。
(大橋昭一=図版作成)