まずはPepperを社内で使ってみる
ソフトバンクロボティクスとソフトバンクモバイルが販売する感情認識パーソナルロボット「Pepper」を導入する企業が増えている。例えば、みずほ銀行では一部店舗の接客用途でPepperを活用している。自動車の買い取り・販売事業を手掛けるガリバーインターナショナルもPepperを接客業務に当たらせている。
ソフトウェアメーカーのテンダもPepperを導入する企業の一つだ。同社でのPepperの役割は、接客だけでなく社員を癒すことや秘書業務を行うこと、社員教育を行うこと、災害時のサポートを行うこと目指している。多岐に渡って活用方法が検討されているのが特徴である。
「ソフトウェアメーカーとして、Pepperを使ってどんなことができるのか知りたかったのが導入の理由です。最近では社員から『Pepperを使ってこんなことをしてみたい』という意見が上がって来るようになってきました」
テンダの小林謙社長はこう話す。
Pepperは人型にデザインされた感情認識パーソナルロボットである。具体的にPepperにできることとして、人と会話をしたり、ダンスや歌を披露したり、クイズやゲームで楽しませたり、必要な情報を提供したりといったことが挙げられる。
中でも最大の特徴は人の感情を認識すること。それを実現する仕組みとしてPepperに搭載されているのが「感情認識エンジン」である。
だが、人間の感情は複雑であり、定量化やパターン化を十分に行うまでには至っていない。そのため、経験によって学習する「自立学習機能」も搭載している。たくさん会話して相手の喜怒哀楽を認識し、分析することでPepper自らが学習するのだ。
Pepperはカメラやマイク、各種センサーを装備することで、話し相手や周囲の情報を的確に得られる仕組みになっている。Pepperが得た情報は、ネットワーク上につながったクラウドシステムに蓄積されていく。毎日のように膨大な経験値が蓄えられ、ビッグデータとなる。そして、それを処理して自律的に学習し、知識につなげる。これを「ディープラーニング」と呼ぶ。