知られざる介護用品の進化

父親の介護を体験して改めて感心したのが、介護に必要な用品の豊富さと充実度です。

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お薬カレンダーのほかにも100均で購入できる「使える介護用品」

例えば、ドラッグストアや100円均一ショップなどの介護用品売り場はどこもかなりのスペースが取ってあり、紙パンツ、紙オムツはさまざまなタイプが揃っていますし、吸水パッド、おしり拭き、使い捨て手袋など、排泄の世話をする時に使えるものがたくさん並んでいます。

介護では通常の生活では縁がない物も必要になります。

寝たきりのうえ認知症を発症した父が何か用事があって、別の部屋にいる私を呼ぶ時、どうすればいいかという問題に直面したことがありました(携帯電話の操作ができなくなっていました)。

これを解決するには、高額の機器を設置しなければならないのかな、と心配したものですが、ネットで調べると簡単な操作で呼び出せるワイヤレス式のチャイムが安価で買えることを知り、安心したものです。

また、認知症が進行し自力で食事が摂れなくなってからの父は食が細くなりました。栄養不足を心配して、そのことをケアマネージャーに相談すると、ストローで飲めるパックの栄養補給食を教えてもらいました。さらに、食べ物や飲み物を飲み込むことが不自由になりかけてきた時は、トロミ剤を勧められました。食べ物や飲み物にトロミをつけることで誤飲を防ぐことができるのだそうです。これも早速使うようになりました。

ネットで調べると、トロミ剤は改良を加えられ、どんどん使いやすくなっているようです。初期のものはトロミがつくのに長時間かかるうえ、白濁したり味が変わることがあったとか。それが改良されて今ではトロミがすぐにつくし、透明で味もほとんど変わらないそうです。私はトロミ剤なるものがあることも知らなかったのですが、これまで介護に縁のない人も同じではないでしょうか。そうしたものでも改良の努力が重ねられてきた。そのことに驚きました。

このように、さまざまな介護用品が用意され、製品の充実度が向上しているのも、社会の高齢化が進むと同時に要介護者が増加、介護用品の需要が高まっているからでしょう。