介護用品としての「付箋」
その話を聞いて、ふとこんなことを考えました。
お薬カレンダーのポケットに、次のようなことを書いた「付箋」を貼っておくのです。
・日にち
・大寒、立春などの二十四節季
・家族の誕生日や記念日
それを薬を取り出す時の話題にするわけです。「今日は大寒だよ。さすがに寒いね」とか。素人考えですが、そうした会話を試みることは認知症にとって悪い事ではないと思いますし、進行を止める効果もあるのではないでしょうか。
私の父も5種類の薬を服用しており、寝たきりになった後は私が薬の管理をしました。仕切りのついたケースに薬を入れ、服用のタイミングになるとそれを取り出して、飲んでもらっていたわけです。父はその通りにのむだけ。これでは頭を使いません。実際、父は曜日の感覚を失いました。担当してくれたケアマネージャーも訪問看護師も、お薬カレンダーのことは教えてくれませんでした。私がいるから必要性を感じなかったのでしょう。ただ、認知症の進行予防の可能性があるのなら使いたかった。父の場合は体の衰えとともに認知症が急激に進みましたから、効果はなかったかもしれませんが。
なお、お薬カレンダーをネットで調べたところ、ちゃんとしたもので値段は1000円前後。簡易なものなら100円均一ショップでも売っているようです。また、Fさんによれば、2週間分のタイプを勧めているとか。家族も忙しかったりして、頻繁に薬のチェックはなかなかできないもの。2週間分を用意しておけば、薬補充の余裕が生まれるからだそうです。
もちろん認知症はケースバイケースであり、お薬カレンダー程度ではどうにもならない症状もあるでしょう。しかし、便利なものであることは確かですし、進行を遅らせるひとつの方法論として覚えておいてもいいのではないでしょうか。