2015年は訪日外国人によるインバウンド需要に沸いた百貨店業界だが、16年春から減収が続いている。

百貨店はインバウンドが盛り上がる前から好調だった。リーマンショックおよびアパレルの超デフレ(990円ジーンズの登場)を経て、節約疲れからやや売り上げが持ち直し始め、11年の東日本大震災を機に「絆消費」と言われる贈り物需要や品質重視の流れが起きた。さらに13年以降はアベノミクスによる株高の資産効果に加えて、円安を受けて海外ラグジュアリーブランドによる値上げが度重なり、国内富裕層のみならず高額品への需要が旺盛となった。そのような中、訪日外国人によるインバウンド消費まで加わっていた。

(構成=衣谷 康)
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