都心部の収益悪化が閉店の背中を押した

百貨店の閉店が相次いで発表されている。今年9月からの1年間で大手だけで9店舗が閉店予定だ。なぜ閉店が続いているのか。主な原因は、都心部の大型店の収益悪化だ。インバウンド需要を含む高額品を中心に、売上高で前年比を下回る店舗が続出。グループ全体で赤字店舗を支える余裕がなくなった。

百貨店業界は1990年代以降、「縮小均衡」へ陥っている。都心部の大型店は売上を維持できているが、地方の郊外店の落ち込みが大きい。背景にはイオンモールなどに代表される「ショッピングセンター」(SC)の大量出店がある。地方においては、消費のハレの舞台が駅前中心市街地から郊外のSCに移った。