利用規約に隠された米国的な責任回避

日本中が「ポケモンGO」に夢中になっている。調査会社ヴァリューズの推計では、日本で配信が始まった7月22日からの3日間でユーザー数は1147万人を突破。運営側は利用者数を公表していないが、街中でスマートフォンを覗き込む人は明らかに増えた。海外でも社会現象となっていて、任天堂の株価は一時、倍に近い水準まで急騰した。

名古屋市・鶴舞公園で「ポケモンGO」をする人たち。同園の噴水塔を上から見るとゲームに出てくる「モンスターボール」に似ていることから大勢のプレーヤーが集まっている(7月27日/写真=時事通信フォト)。

一方で、様々なトラブルも報じられている。警察庁のまとめによると、運転中にポケモンGOで遊んでいたとして、7月22日からの6日間に全国で406件の交通違反があった。このうち11件は人身事故だ。

すでに島根県の出雲大社は、境内での使用禁止をウェブサイトで掲示している(※1)。 また広島市は、原爆慰霊碑などがある「平和公園」でのプレイを禁止し、「慰霊・鎮魂の聖域としての静けさや雰囲気を失わせる」としてゲームの対象から外すように求める文書を運営会社に送っている。

もし子供から「ポケモンGOで遊びたい」と言われたときに、どう対応するべきだろうか。禁止することはたやすいが、よく考えてみると、ゲーム固有の問題は意外と少ない。むしろ重要なことは、ゲームに限らず、「当たり前の常識とマナーを守ること」だとわかるはずだ。