「小学生からスマホ」世代は、我慢ができない?
▼三女の決断。「次はガラケーにする」
わが三谷家でもっとも「スマートフォン・ネイティブ(生まれながらにスマホ *1がある世代)」に近いのは、三女(高校3年生)です。自ら手にしたのは高1のときでしたが、小中学生の頃から、母親のガラケーも姉たちのスマートフォンも、小学生のときから勝手に自在に使っていました。
iPhone5から始まった彼女のスマートフォン・ライフは、LINEとゲームとさまざまなアプリで彩られていました *2。
中心はLINEです。LINEでは、クラスメート全体が入るグループだけでなく、友だち関係のグループが多数。そして家族でも、全員が入る「おやこ」グループ、私だけ抜かされた「かしまし」グループ、母親も抜かれた「しまい」グループと3種類。三女はその中で、読むだけ読んで、たまにクリティカルな一撃を放つスナイパーのようでした。
高校2年生の最後、2015年の3月になってケータイについて相談があると書斎にやってきました。あら、珍しい。「お父さんに頼むくらいなら諦める」主義の三女が、一体何を?
「6月になったら機種変更できるんだけれど、早めに変えたい」「次はガラケーにしようと思う」
なんと、ガラケーに! 理由を尋ねると、LINEやゲームで時間をとってしまうからと。
「学校に行って帰ったら、おやこグループだけで未読100件とかあり得ないし」
金銭的 *3には、基本料金が半分くらいになって、端末の分割支払い分も半分に。ただし、iPhone5の端末支払いが2カ月分余計にかかる計算です。
結果的に「iPhone5端末未払い分の半分は自腹」ということで手を打ち、三女は少ないチョイス *4の中からガラケーを選び、4月からガラケーのみでの受験生活に入りました。家にいるときなら調べ物だって音楽だって、Wi-Fi・Bluetooth接続のiPhone5でバッチリ。
数日後、LINEの各グループからも退会 *5です。「さらば!」と元気に抜けていきました。もちろん、クラス全員グループからも……。
葛藤はあったでしょうが自分で悩んで決めたこと。ふぁいとー。。
▼インターネットと成績の意外な関係:「への字」相関
2013年の末、文部科学省が同年4月に行われた全国学力テスト *6の分析結果を発表しました。対象は小6と中3です。都道府県別の成績(正答率)では、小中とも1位 秋田県、2位 福井県となり、ほぼ例年通りでしたが、下位から躍進する県もあり、悲喜こもごもの結果となりました。
*1 従来の携帯電話端末を「ガラケー」、スマートフォンを「スマホ」、両方を合わせて「ケータイ」と呼ぶ。
*2 ただし、課金が発生するものは原則禁止で、親の許可が必要。
*3 月あたりの定額を決めて親が負担している。
*4 auの2015春では事実上1つだった。ガラケーのカタチをしたスマートフォンなどが登場。
*5 ガラケー(やPC)からもLINEは使えるが、スマートフォンほど使いやすくはない。
*6 国語と算数・数学の2教科で、基礎(A)と活用(B)が出題された。対象は基本的に公立小中学校