スマホの使用時間が長いほど成績が低下

サイバーリテラシー・プリンシプル(11)は「中学生以下の夜9時以降のスマホは禁止」である。これは以前提唱したことがある「サイバー元服」(http://www.cyber-literacy.com/blog/archives/2008/03/20083.html)の延長上にある提言(小中学生のケータイ利用を時間的、あるいは場所的に制限する)をより具体化したものだが、このところ全国の教育現場や地方自治体で、同趣旨の取り組みが精力的に進められている。

2014年8月末に文部科学省が発表した「全国学力・学習状況調査」に携帯電話やスマートフォン(以下、スマホ)の使用時間と成績に関する興味深い結果が出ている(http://www.nier.go.jp/14chousakekkahoukoku/summaryb.pdf)。

それによれば、月~金曜日の間、携帯やスマホで通話、メール、インターネット(ゲームを除く)を4時間以上行う中学生は約11%、30分未満は約16%いたが、数学Aの平均正答率を見ると、4時間以上の生徒が55.7%に対して、30分未満の生徒は72.7%だった。国語Aでも、前者が73.5%、後者が82%。おしなべて、使用時間が長い生徒ほど成績が低いことがわかった。もちろん、学校の成績だけで人間の能力は測れないが、親としては気になる数字である。

全国で携帯・スマホの使用時間や所持に制限をかける動きが進んでいる。

先鞭をつけたのが石川県で、「いしかわ子ども総合条例」を改正、小中学生に携帯電話を持たせないとする全国初の条例を2010年1月から施行、あわせてフィルタリングの徹底も盛り込んだ(同県教育委員会が施行前後で携帯の所持率を調査したところ、中学1年生は2008年で16.2%、2012年には14.0%と下がったが、高校1年生は96.2%から97.2%と逆に増えている)。

2014年に入って、規制の動きは加速、1月には鳥取県米子市小中PTA連合会が「ケータイ・スマホ等に関する緊急アピール」を発表、「小中学生にはケータイ・スマホを持たせない」よう保護者に呼びかけた。