子どもの夏休みの宿題に頭を抱えている親御さんは多いようです。子どもの頃にも苦しめられたのに、親になっても苦しめられる。そんな「夏休みの友」ならぬ「夏休みの敵」扱いの、夏休みの宿題に、親としてどう関わっていくべきか。親としての立場と教師としての立場の両方の視点から述べていきます。

前回の「自由研究・ドリル編」(http://president.jp/articles/-/15824)に続き、今回は「読書感想文編」です。

読書感想文の宿題は、まず「親子で読書」を

夏休みには読書の宿題が出ることがあります。そして、それとセットで感想文の課題を求めることもあり、国語が苦手な子どもにとってはなかなかの難物です。

読書が大好きな子どもと苦手な子どもとの差は、どこから生まれてくるのでしょうか。

1つには、幼児期の「読み聞かせ体験」があるようです。幼児期にお話の読み聞かせをいっぱいしてもらった子どもは、お話の世界に入りこむようになります。さらに、何度も同じ話を聞くので覚えて、今度は自分で読みたがるようになり、その過程で自然と文字を覚えます。そうすると、その後も自主的に本を読むようになるようです。この読み聞かせ、「胎教」として行う人も多いとか。効果があるからこそ広まっているのだと思います。

ですから、まずは読み聞かせから始めてみてはいかがでしょうか。特に、小学生低学年の読書の宿題であれば、この方法は最も効果的です。

逆に、もう大きくなった我が子に、今更読み聞かせなんて、と思うかもしれませんが、6年生でも読み聞かせは大好きです。読むのに抵抗がある子どもでも、読んで聞かせてもらうのは楽しいのです。大好きな親に読んでもらった本は、特別な輝きを帯びます。

読み聞かせが難しい場合、親子で一緒に読書をするという手があります。

学校での朝読書の取り組みの延長で「○時から30分間は読書タイム」と家で決めて、親子で一緒の空間で好きな本を読みます。これは、別々の本でも構いません。時間が決まっているため、集中して読めます。

ちなみに、読書好きの子どもの親は、読書好きのことが多いようです。場合によっては、子どもそっちのけで本を読んでいることすらあります。そういう親の姿を見て子どもは「本って楽しいものなんだろうな」と思うようです。

いずれの方法にせよ、コツとなるキーワードは「一緒にやること」に尽きます。