そのような「アウトプット革命」のために、お勧めしたい教材がある。それは、ずばり、ビートルズの5番目のアルバム、『ヘルプ!』(邦題『4人はアイドル』)である。

1965年、『ヘルプ!』がリリースされた当時のビートルズ。(写真=Photofest/AFLO)

『ヘルプ!』は、若くて勢いのあるビートルズの名曲がたくさん入ったアルバムで、表題作「ヘルプ!」はもちろん、代表曲の1つ「イエスタデイ」や、「涙の乗車券」などの、誰もが知っている曲がたくさんちりばめられている。

そして、アルバムを通して聴いて驚くのは、使われている単語がほとんど、日本で言えば「中学校レベル」のものだということだ。嘘だと思ったら、歌詞を参照しながら通して聴いてみてほしい。

言うまでもなく、『ヘルプ!』は、音楽の歴史に残るバンドの代表作の1つである。シンプルで強く熱いメッセージに満ちた楽曲は、これからも聴き継がれて、古典として残っていくだろう。

そのような高い芸術性を持つ楽曲が、中学校レベルのボキャブラリー、文法で表現できるというのは、日本人にとっての1つのインスピレーションではないだろうか。心を動かすためには、何も難しい英単語を、高度な言い回しで使う必要はないのだ。

『ヘルプ!』の中にあるのは、多くが恋の歌である。人生で一番「真剣勝負」のコミュニケーションは、他のさまざまな状況での会話の、1つの模範ともなる。

『ヘルプ!』を聴いて、英語で表現する勇気を持ってほしい。「ほんものの英語」は、思っているよりも身近にあるのである。

(写真=Photofest/AFLO)
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