2016年は電力自由化をはじめ、家計に深くかかわるルールの改正が行われる。それらをいかに活用したらよいのか──。

長らく低迷を続けてきた日本経済だが、株価や地価の持ち直し、失業率の低下といった明るい兆しも、一部では見えてきた。しかし、ビジネスマンの多くは「懐が温かくなった」とは実感できていない。

賃金が伸び悩むなかで、輸入コスト増による物価の上昇などが家計を直撃。さらに、財政危機を背景に、個人への課税が強化され、社会保険の負担も重くなる一方だ。

2015年には、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられた。16年1月からは、公社債や公社債投信の譲渡益が新たな課税対象となり、同10月からは、パートの社会保険適用範囲も拡大される。17年4月には、消費税率10%への引き上げも控えている。

しかし、16年4月には「小口電力自由化」で、家庭向け電力料金が5~10%下がると予測されている。同時にスタートする「ジュニアNISA」を活用すれば、教育資金の運用益が非課税になる。相続した土地の再評価で、相続税を取り戻すという“裏技”もある。

これから「家計のピンチは暮らしや働き方を見直すチャンス」と説く賢人たちが、さまざまな知恵を授けてくれる。それらを参考にしながら、家計にとって厳しい冬の季節を乗り切っていこう。