2016年は電力自由化をはじめ、家計に深くかかわるルールの改正が行われる。それらをいかに活用したらよいのか──。
相続税の課税強化が2015年1月から断行され、普通のビジネスマンでも相続税を課せられる人が続出している。相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられたからだ。
改正前の基礎控除額は「5000万円+1000万円×法定相続人の数」だった。それが改正後は「3000万円+600万円×法定相続人の数」に変更された。
フジ相続税理士法人の代表社員で税理士の高原誠さんは、相続税の課税の現状について次のように説明する。
「遺産が課税対象となる被相続人は、改正前の約4%が改正後は6~7%に増え、東京都に限ると改正前の約9%が改正後は16~17%に急増するものと見られています。相続税には、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例といった優遇規定があるので、実際には遺産が基礎控除額をオーバーしても、直ちに相続税が課せられるわけではありません。しかし、優遇を受けるためには、税務署に申告しなければなりません。東京都では3~4割の人が申告の必要があるといわれています」