ミスの連続を断ち切る仕組み
不況下の数少ない勝ち組企業の一つ、日本マクドナルド。特に優良店舗では30分ごとに販売目標を設定し、常に数字を意識しながら営業利益の確保につなげているという。
一般的に営業利益は、売り上げから売上原価、販売費・一般管理費を差し引いた金額をいうが、同社のような土地代、人件費がある程度決まった薄利多売のビジネスでは、売上金額の大小が優良店舗かどうかを左右するのだ。
今回、西日本の店舗で好業績を挙げる店長A氏が、30分ルールの秘訣を公開してくれた。
「時間帯によって売り上げが激変するので、30分単位で目標を管理する必要がある。随時、クルー(従業員)の人数や配置、食材の在庫などが“適正な投資”となるよう調整しています。
対前年ベースで月間の売り上げ目標、1日の売り上げ目標を最初に決め、そこから時間ごとに目標をブレークダウンします。レジの売り上げレポートもクルーの入れ替わりも30分単位なので、自然とそういう時間感覚が身についている」
30分ルールでは目標を下回った場合の挽回こそが、重要だ。
「商品ごとの売り上げ結果を見て予測通りに売れていなければ、どこかに問題があると考える。その原因に気づいて次の30分に生かさないと、同じミスを続けてしまう。例えば割引券を配布した日は、利益率の高いポテトが品切れになりやすい。ポテトの調理をベテランのクルーが担当していないと機会損失になるので、すぐにクルーの配置を変更します」