取調室で向かい合う刑事と容疑者。片方は相手を説得しようと意気込み、片方は不利なことを喋らないように気を配る――。刑事ドラマでよく見るこの光景、上司を説得しようとする部下、部下のウソを見抜こうとする上司の攻防に似ていないだろうか。
警視庁捜査第一課第62代課長を務めた久保正行氏は、手練手管で容疑者の心を動かし、数多くの自白に導いてきた。百戦錬磨の元刑事に、心理戦を制する極意を聞いた。
視線、皮膚、目の動き 相手のウソは最初で見抜ける
警察は階級社会です。地位と職歴がはっきりしており、企業よりも厳しい上下関係が成立しています。しかしそんな厳格な世界でも、部下によっては自分から都合の悪いことを上司に報告しませんし、時にはウソをつきます。
元警視庁捜査第一課長 久保正行
第62代警視庁捜査第一課長。1949年北海道生まれ。67年北海道十勝支庁・新得町から上京。71年警視庁刑事に。74年に捜査第一課に異動。2008年2月警視庁第七方面本部長を最後に勇退。著書に『現着』『警視庁捜査一課長の「人を見抜く」極意』など。
第62代警視庁捜査第一課長。1949年北海道生まれ。67年北海道十勝支庁・新得町から上京。71年警視庁刑事に。74年に捜査第一課に異動。2008年2月警視庁第七方面本部長を最後に勇退。著書に『現着』『警視庁捜査一課長の「人を見抜く」極意』など。
それは格別驚くことではありません。なぜなら人間は誰しも、ウソをつくからです。上司の中には部下が正直者だと信じ、ウソをつかれている気がしても、「何かの間違いだ」「ウソをついているとしたら理由がある」「やがて真実を話すはず」と考える者もいます。しかしこれらはすべて、都合のよい思い込み。このような時代遅れのお人よしはこれからの時代、うまくやっていけないでしょう。人、そして部下はウソをつくものと胆に銘じ、進んで見抜いていく姿勢が必要です。
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