イギリス、オーストラリアでは小学校から必修
もはやどんな企業でもIT化は必須となっている。個人としても、スマートフォンをはじめとするモバイルを使ったインターネットサービスを使わない日はないだろう。最近では、暮らしの中にあるあらゆるモノにインターネット技術を搭載するIoTと呼ばれる概念も普及し始め、よりインターネットが身近な存在になってきている。
サービスにしても製品にしても、IT化するには、プログラミングの知識を持ったエンジニアの力が必要だが、近年、エンジニア職は人材不足の状態が続いている。特に日本には、海外に比べてプログラミングができる人間が圧倒的に少ない。
アメリカにはGeneral Assembly、Hack Reactorといった実践的なプログラミングを学べるスクールが多く存在し、MBAよりも勢いがあるという。また、先進国を中心にプログラミングを子供のうちから学ばせる流れが加速している。イギリスやフィンランド、オーストラリアでは小学生から必修科目になっているし、韓国でも中学校から正式科目となる見込みだ。
日本は、プログラミング教育が遅れている。実際にプログラミングを学ぼうとすると、書籍やオンライン教材を使用した独学や講義形式のスクールといったものが主流。すぐに壁にぶちあたり、挫折する人が多い。
その問題を解決すべく設立されたのが、テックキャンプだ。2014年11月に真子就有氏が設立した当初は、受講者が25人程度だったが、1年で毎月200から300人に。プログラミングスキルを学びたいというニーズに、短期間で実践的なスキルが身につくというコンセプトがマッチした。
真子氏は学生時代に情報科でプログラミングを学んでいたにもかかわらず、実際にプログラムをつくれるようにはならなかった。既存のスクールでは講師が複数の生徒に教える講義形式で、プログラミング言語などの知識を詰め込んだだけで、実践的ではなかったり、受講料が高額だったりする。また、本などで、独学で学ぶとなると、未経験者には時間がかかりすぎる。
「もっと効率的なプログラミングの学習方法があると思ったのです。情報科の私ですら、サービスをつくれるレベルになるまでに1年半程度かかりました。頭の中にあるビジネスアイデアがすぐ形にできないのは非効率。よいサービスをつくりだす人をもっと送り出したいと思いました」(真子氏)