業界知識や人脈より「専門スキル」が評価

昨年に続く“賃上げブーム”。恩恵を受けるのはだれか。その可能性が高いのは「専門スキル」をもった人材のようだ。

求人大手のエン・ジャパンが同社登録の転職コンサルタントに行ったアンケート調査によると、「転職後に年収が上がった人が評価された点」として、83%が「専門スキル」と回答した。これはリーダーシップ(41%)や業界知識(27%)、人脈(15%)を抑えて、ダントツの数字だ。

評価される専門性とはなにか。調査で「年収が上がる業種」としてあがったのはIT・インターネット、メーカー、コンサルティングだった。より具体的な職種をあげれば「ITコンサルタント」になる。

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転職後に年収がアップするのは……

「昨夏からSIerの基幹システムの需要が増え、求人も多い。給与も高くITエンジニアの上位職種として人気も高い」(エン・ジャパン紹介会社支援事業部・深井幹雄事業部長)。

主な仕事はクライアントの経営戦略に基づいたシステムの企画・提案などの上流工程だ。「ITコンサル会社だと30歳で年収1000万円、35歳で1500万円、マネジャークラスでは2000万円程度」(コンサル会社役員)。

さらに「データサイエンティスト」も有望だ。大規模データを解析し、ビジネスの種をみつける。一時はソーシャルゲーム会社が1000万円以上で大量採用していたが、今は30歳で800万円が上限。外資系では1000万円超を提示する場合もある。