外資系「法務職」は2500万円も
IT以外では「経営企画・事業企画職」と「マーケティング職」の人気が根強い。調査では「年収が上がる職種」では1位と2位になった。「ビジネスモデルの転換や新規事業の立ち上げを行った大企業の事業企画の経験者のニーズが高い。とくに成長企業では不足している」(深井事業部長)。
マーケティングは製品、価格、流通、販売促進の4つの戦略を駆使していかに商品(サービス)を売るかの鍵を握る。市場競争にさらされる業態ではクリエーティビティの高い花形の職種だ。日本企業では営業スキルの高い人を企画部門に配置して育成するケースが多いが、一人前になるには最低5年といわれる。
外資系販社の求人ニーズが高く、30~35歳で日本企業から外資に転じるケースも多い。マーケティング職は一般の営業職より1割程度給与水準が高く、外資系大手のマネジャークラスでは35歳で1000万円を超えるという。
日本企業で求人ニーズが高く、将来も有望なのは法務職だ。リスク管理だけではなく、組織再編やM&A、海外事業の拡大など攻めの経営にも欠かせない。大企業を中心に法務専門部署を拡充する動きが広がっている。「日本企業に転職する法務職の年収は課長クラスで600万~900万円。外資の部長クラスだと2000万~2500万円」(転職コンサルタント)。
建設業界では「建築施工管理技師」が不足している。東京オリンピックに向けて、施行管理のスペシャリストはまだまだ足りない。「建築士の倍以上の求人案件がある。50歳以上でもすぐに決まる状況」(深井事業部長)。
英オックスフォード大のマイケル・オズボーン准教授は、話題の論文「雇用の未来」で人間が行う仕事の約半分が機械に置き換わると予測した。このうち「銀行の融資担当者」「不動産ブローカー」「測量技師」などは今後20年以内に90%以上の確率で消滅するという。いかに変化を予測して専門スキルを磨くのか。今からでも遅くはない。