超高齢化社会が到来する10年後、最も食いっぱぐれのない資格は医療系でしょう。なかでも看護師は注目です。

米国にはナースプラクティショナー(NP)という制度があり、看護師が医師の指示なしで初期診療や投薬を行えます。日本でも「特定看護師」の名で法制化を検討中。10年後には導入される公算が大きいでしょう。

一方、医療系でも理学療法士や作業療法士は大量供給の時代が終わり、将来は正規採用での就職難もありえます。

法律系はまずまずでしょう。今後、利用者増が予想されるのが「成年後見制度」。認知症などで判断能力が低下した人に代わって、生活や財産を守るための手続きなどを第三者が行う制度です。司法書士、社会福祉士、弁護士が役割を担うケースが多く、特に前2者の出番は増えるでしょう。

グローバル化はますます進みますが、国家資格の仕事はあくまで内需完結型。超高齢化、人口減少の流れに対応できない人は、資格があっても苦戦するでしょう。

法律系:まずまずも社労士は下り坂

●弁護士【晴れのち曇り】

近年、ロースクール出身の合格者が大量生産されたため、若手人材が供給過多。年間合格者数の削減で、需給バランスを取り直そうとしているが、弁護士間および所属する事務所間の格差は引き続き拡大傾向か。10年前までは「快晴」だったが、今後は雲がちらほら。

●司法書士【曇り】

不動産売買などにかかわる登記業務がメーンの“街の法律家”。不動産不況下でもクレジット&サラ金がらみの自己破産案件で稼いでいたが、今後は縮小へ。マンション着工数も減少傾向にあり、厳しい状況だ。高齢化に伴う相続案件、成年後見制度関連の業務増に期待。

●社会保険労務士【曇り時々雨】

基本は中小企業の年金・保険業務の代行屋さん。独立開業したものの生活が成り立たない社労士はゴマンと。数年前は年金問題の相談窓口としての業務が舞い込んだが、その特需も今や昔。全体に、仕事は減少傾向にある。実質は、人事や総務の会社員向けお勉強資格か。