急速な円高の進行で輸出企業を中心に業績悪化の懸念が高まり、リストラの影が再び忍び寄ってきている。こうしたなか、「資格を取って第二の人生に備えたい」と考える人が増えているようだ。

2003年の春から毎年『資格図鑑!』という資格ガイド本を刊行してきた私だが、「資格取得で勝ち残る」という思考回路は現実の世界からの逃避になりやすいと思っている。いま就いている職業の先行きに対する不安感が募り、「将来の生活の基盤を支える根っこが何かほしい」という気持ちが芽生えてしまうのも人情だろう。

しかし、資格に関していうと、遠目で見て美味しそうな実がなっているかのように映り、どんな実か確かめる前に採ろうとしてしまう。仕事の実体を知らぬまま、取得の試験勉強に走りがちなのだ。勉強は励んだ分だけ成果が出るから。で、晴れて念願の資格を取得した途端、厳しい現実を突き付けられる。