テックキャンプの最大の特徴は短期集中で実践的なスキルが身につくという点だ。サービスのプロトタイプをつくれるレベルになる1カ月コースを基本に、オリジナルのサービスの完成まで目指すのであれば2カ月という。受講者の目的も、起業したい、アプリをつくりたい、実際の仕事にすぐ生かしたいなど、単なる資格取得目的というよりは、もっと攻めた理由が多い。技術職ではない受講者も多数いるという。
短期間でスキルを身につけるための工夫として、オリジナルカリキュラムの作成に力を入れている。これまでに計5000回以上、受講者からの質問を受けるたび、改良を重ね、現在もそれは続いている。
途中で挫折させないために、受講生の質問に即座に対応できるエンジニアメンターの存在も大きい。
「プログラミングは、たった1つ間違っただけでエラーが出て、解決しないと次に進めなくなります。私が独学で学んでいたとき、その原因を突き止めるだけで1日を要したこともあった。大きな時間のロスです。こういったことが頻繁に起こるので挫折する人が多いけれど、すぐに相談できる人がいれば、次に進める。そのためにその場で質問ができるエンジニアメンターが必須だと考えました」(真子氏)
教室は東京都の渋谷と大阪府の梅田にあり、受講生が好きなときに自由に出入りできる。講義スタイルではなく、それぞれが独自に学習を進め、疑問、質問があればその場でメンターに聞く。自宅学習している受講生の場合は、スカイプかチャットを使い、11時から23時まで自由に質問できる。質問にすぐに対応できるように、約80人のメンターが在籍。メンターの質も高く保つために、メンター登用には合格率10%の社内試験を行っている。
全員の卒業を目指し、カリキュラムの進捗を随時確認して、遅れが出ている受講者には電話や面談を行いアドバイスをするなどのフォローもある。
これらすべて含んだ通常の1カ月コースがオンラインスタイルで11万8000円、教室利用で12万8000円。学生はさらに約半額で学べる。
「とにかく日本にプログラミングスキルを持った人を増やしたい。プログラミングスキルを身につけるには、とにかくコードを書いて実践していくしかないんです。教材を確認しながらでもメンターに質問しながらでもいい。英語と同じで講義を聞くだけでは身につきません」(真子氏)